2017年1月29日日曜日

漫画ビブリオバトル2017年1月

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2017年1月のビブリオバトルメモ。
メモが準備できていたので残しておく。

テーマは2016年の漫画。
条件は2016年1月~12月までに刊行した作品であること。

以下、用意したメモ

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紹介するのはつばなの『第七女子会彷徨』。
2008年8月から2016年6月までコミックリュウに連載して完結。
つばなは連載はこれが初。その連載中に、全1巻の長さの連載を複数やっている。

大筋としては、どこかズレている高木さんと、まともな金やんの掛け合いで
ほとんどの話が作られる。
大きな括りで言えば日常系漫画。
でも特徴的なのはその世界が私たちの世界とは常識レベルで違っていること。

おすすめポイント

不気味な世界と可愛い世界の行ったり来たり
すこし不思議の後継者
友達とはなにか

・不気味な世界と可愛い世界
絵のタッチとしては可愛い系だと思いますが、
其の実世界を反転させるような不気味な世界を織り交ぜてきます。
連載であり、連作であり、なんでもできる世界をつばなは構築していました。
全編ほのぼのもあれば、全編ホラー、はたまたほのぼのの中に
ホラーを織り交ぜるという自由さです。
ホラーといっても一歩引いたところという印象で
作品としての振れ幅みたいなものかと思っています。
どちらかというと、作者が力込めてるなーというのが感じられてとても面白いです。
そんなトリップ感も味わっていただけると思います。

・すこし不思議の後継者
つぎに推したいのはこの"すこし不思議"です。
"すこし不思議"と言えば藤子不二雄がSFに対して当てた言葉ですね。
まさに藤子不二雄のように、近未来の不思議道具が出てきたり、
天国がデジタル化されていたり、未来から来たロボットがいたり、
そんな素敵なギミックがあるかと思えば、ダーク、シニカル、シュールと
大人向け藤子不二雄のテイストも見せてくれます。
藤子不二雄好きな人に面白く読んでもらえるのではいかと思います。

・友達とはなにか
最後にメインの高木さんと金やんは友達。
だけど、これは学校の制度でありカリキュラムに組み込まれている
友達システムに選定されたもの。
あちらの世界ではこれが常識なので違和感なく友達として会話をし、
共に登下校をする。
時々エピソードでこの友達というのがこちらの世界の友達とイコールなのか
という問いが行われる。
2人の微妙な関係を追うだけでも読み応えがあり、完結時にある答えが出る。
これをみんながどう思うか。楽しみです。

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