2011年7月13日水曜日

「ワシントンナショナルギャラリー展」を観てきました。

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ちょっと気になっていたんだけど、
特にこれという作品が印象になかったのでスルーしてました。
平日にお休みがとれたのでせっかくだから行くことに。


公式サイトはこちら

国立新美術館のロビーは
おじさんおばさんでいっぱいwww
あー、節電だけどこういう所に来て涼むのはアリよねー。
どこかの展示見た後だよね?
展示見ないでお茶だけしに来るのも
まあ、アリなのかな…。
あそこの空間広いから居心地はいいからわからなくはないな。


さて、また改築とか修繕で一気に借りてきて
テーマとかないのかなーと思ったら
サブタイトルになっているように
印象派とポスト印象派にまとまっていた展示でした。
有名な作品がいっぱい来ていることは知っていたんだよ?
でも、特に観たいなーって感じはしなかったんだよね。
なんでだろ?

さてと、全体の感想は最後にして
印象に残った作品についてつらつらと。

ジュール・デュプレ
『古い樫の木』
堂々とした筆致が存在感を与えている。
いかにも油絵という感じ。
それほど大きな絵ではなかったけど、
いかにも主役です!って
樫の木がドーンとしていて
とても絵として落ち着きが良かった。

エドゥアール・マネ
『鉄道』
タイトルに結びつくものは線路と
もくもくとあがる煙だけ。
二人の向き服のスタイル、
色の構成体の向き、年齢全てが対照的。
物語性はないけど含意を考えてしまうような作品。

(マネの絵全般について)
特別すごい構図とか、表現方法が秀でている
という感じはしない。
とにかく落ち着きのある見ていて安心する絵。
ずーっと見ていられる感じがする。
『鉄道』もたしかに何かありそうな雰囲気はするのだけど
それを押し付けてくるプレッシャーのようなものはない。
見続けていつの間にか時間がたってしまいそう。

フレデリック・パジール
『エギュ=モルトの城壁』『エドモン・メートル』『若い女性と牡丹』
パステルカラーから感じる軽快さ。
絵画的というよりはなぜかイラスト的な感じを受ける。
結構好みで他の作品も見てみたい。
29歳で戦死とあったのでそれほどの数は
残っていないかも知れない。

クロード・モネ
『日傘の女性』
これはすばらしすぎる。
風と光と幸せが一気に描かれている。
空いている事をいいことに、
近くから遠くから本当にずっと眺めていた。
ああ、私の語彙力の足りなさが哀しい。
『ヴェトゥイユの画家の庭』とも合わせて
今の季節にマッチしすぎてくらくらしてた。
暑くて夏は嫌だなーと思っていたけど、
こんな絵を生み出したのも夏と思えば
夏も素晴らしく思えてくるから可笑しい。

ドガ『アイロンをかける女性』
仕事する姿は美しい。
輪郭の強弱がきっちりと見て取れて
絵のどこが見どころなのかをはっきりさせている。
こういうところがいいよな。

カサット
『浜辺で遊ぶ子どもたち』
左の子供の顔がいい。
書いた人の愛情が書き込まれているようだ。
他の部分の色が暗めだったり、
絵として大雑把な分さらに際立っている。

『青い肘掛け椅子の少女』
女の子の表情が良すぎるw
モデル飽きたんだろうなー。
その飽きてしまった表情がなんとも可愛く
カサットの目の付け所の良さを感じる。

『浴女』『入浴』
これは浮世絵の影響がもろ。
いいできだけど、カサットの良さはちょっと感じない。

(カサットについて)
不勉強でカサットについては初めて知った。
この時代に女性画家っていたんだなぁ。
他の画家のスポンサー的なこともやっていたみたい。
だから『浴女』『入浴』みたいな好きなことをやってみることが
できたんだろうね。
ほかにもエッチングの『オペラ座の桟敷席にて』という
作品もあってこれはすばらしかった。
いろんなモノにチャレンジして影響を与えて
影響を受けてという感じだったんだろうな。
画家としても人物としても結構興味が湧いていたり。

セザンヌ
『ゼラニウム』
水彩の妙。重ね塗りがよくわかる。
これは実物が一番よくわかるよね。
この時点では水彩もうまいなー、
てか割とアクがないというかすっきりしてるなーと。
セザンヌってこんなだっけとか思ってた。

『アントニー・ヴァラブレーグ』『『レヴェヌマン紙』を読む画家の父』
すっごい存在感。パースとかおかしいし、
細かい描写もないんだけど、
とにかく力強い。
かなりのショック。
離れてみると厚塗りの影や
パワーが薄れてしまって
こればっかりは近い距離でみて
圧倒されて欲しい。

(セザンヌについて)
セザンヌといえば『赤いチョッキの少年』が
有名で私のイメージもそれだった。
ちょっと変わった色彩の人だなーくらいの
イメージだったんだけど、
今回実物を見てだいぶ変わった。

圧倒的に自分の世界を表現しているんだと思う。
印象派をみたあとだけに、
自分の世界を表すという力に打たれていた。


今回のまとめ
いやーこれ本当に行ってよかった。
かなりなめてましたね。
2時間の予定で行ったら全く時間足りなくなってしまいました。
空いていてもこの時間で足りないのに、
普通だったらどれくらい時間かかるんだ…?

予想外に印象派、ポスト印象派にしっかりまとまっていて
しかも代表的な作品が多かったため
見ごたえは抜群でした。
ヴィンタートゥール展の時の感じなのかなーと
勝手に思っていたんですよ。(あれも良かったけど)

ああ、これは期間中にもう一度見に行けるかなー…、
平日は子供もいなくて本当に快適だったなぁw
モネをずっと眺めるために時間をとってもいいかもしれない。

本当におすすめです。

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