2011年2月27日日曜日

『英国王のスピーチ』

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「私は王じゃない。
海軍士官なんだ。
…すまない。」

公式サイトはこちら。(すぐにトレイラーが始まるので注意)

前々から気になっていた作品。
今年のアカデミー賞でも12部門にノミネートというから
否が応にも期待は膨らむ。

1925年、国王の次男ヨーク公は王の代理でスピーチを行った。
だが元来の吃音症のため結果は散々なことに。
この時代にはラジオ放送も開始され、
王室も馬上でふんぞり返っているだけではダメで、
国民にスピーチができなければいけなかった。
王いわく、役者でなければならないと。
ヨーク公とその夫人は様々な治療法を試すが
うまくいかず、諦めかけていたときに一人の言語聴覚士と出会うのだった。


困った、何を褒めていいかわからない。
褒めるところばかりで。

コリン・ファースとジェフリー・ラッシュの演技が物凄くいい。
王族の嫌な感じ、威厳を保とうとする姿、それによる歪み。
治療に対する真摯な姿、家族への向き合い方、
王族であることをあえて無視して友人として接しようとする姿。
なんかもうね、奥さんとか兄である皇太子(ちなみにガイ・ピアース)とか
そっちもいい演技してるのにすっかり霞んじゃうんですよ。
(ジョージ5世は霞まなかったがw)
これはちょっと舞台向きかもなーとか今になったら思う。
それぞれの場面でちゃんと見せ場があって、
いい具合の長さで場面転換していくんだよね。

次にストーリーがいい。

史実が元になっていることと
予告を見ればだいたいどんなことが
起こるか分かってしまいそうだが
そんなことこの作品には全く関係ない。
たとえ私がここにあらすじ以上のことを書いても
まったく観る価値は下がらない。
そんな映画だと断言できる。
でも、もちろんそれぞれの見せ場であらすじでは
表現できないようなことがさらりさらりと行われる。
王族とは王とは何か。人の価値とは何か。
他にも様々なことが頭をよぎる。
平易に描いているからこそ、想像させる余地が観客に
委ねられているのかもしれない。

また、音楽がいい、衣装がいい。
もうこれは鈍感な私が観ててもわかるぐらいw
うっとりしますよ。

あとは画面の構図が半端無くいいです。
特に前半。主人公達の不安定な様子が
良く表されていると思います。
後半になるにつれ安定していく感じもいいです。

いやー、この映画で泣くとは思いませんでした。
号泣じゃないんですけどね。
こういう感動もあったなーって感じです。
ラストまでじっくり味わってください。

今回の評価:★★★★★

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